突然、激しい頭痛が襲ってきた!

東京・有楽町駅前にあるビルの工事現場へ警備員の巡察に出向いた時の事である。
「おいっ!大丈夫か…。」
サラ地の真ん中で頭を抱えててうづくまってしまった私に、
警備員が慌てて駆寄ってきた。
「うーん…。」
私はそう唸ったきり意識が遠くなった…。
ようやく意識が戻り、喋れるようになった私を警備員が真っ青な顔で覗き込んでいる。
「大丈夫かい?。変な気分はしないかい?」
「ええ。ご迷惑を掛けました。もう大丈夫ですから。」
「いやーっ。本当にびっくりしたよ。なにせ、今日2人目だものなあ。」
「2人目?」
「あぁ、午前中もあそこで1人倒れてな…。
場所が場所だけに、あんたが倒れたときは大騒ぎだったんだよぉ。」
「あそこで何かあったんですか?」
彼はしまった!という様な顔をした。そして、小声でこう言った。
「あまり、大きな声で言えないんだけど。実は昨夜、敷地内に自殺者の死体があったんだよ。隣のビルから飛び降りたらしいんだけど、即死できずに這いずりまわって、ちょうどあんたが、うづくまったあの場所で、絶命していたそうでね…………。」

結局その日、現場内で頭痛の為倒れたのは、私を含め4人であったという…。