![]() |
![]() |
3人が3人、バラバラに私に話してくれた逸話である。 C葉君、TAKA嬢、広川君、安田君の4人は当時大阪で行われていた「花博」に行くため、C葉君が運転する車に同乗していた。 夜の東名高速を車はひた走っていた。 そのスピード、時速130キロ超。うるさいので車の速度警報は切ってあった。 時刻は午前2時…丑三つ時を回っていた。 この時間高速道路は行き交う車もまばら…。 しかも、今夜は山あいに霧が発生しているのか、道路には薄い靄がかかっていた。 安田君は仕事の疲れから眼鏡を外した姿勢でうたたねし、他の3人は起きてはいたが話のネタもつき、車内は静かだった。 その時だった。 車の前を人が横切った。 右から、左へ、歩いて。 …高速道路である。 しかも車は130キロを超えている。 まともに考えるなら、車と等間隔を保ちながら人が歩いて前を横切るなどありえない。 3人はそれぞれ目を剥いたが、そこはそれ、「今のは何かの間違い!」と忘れることにしようとした。 …すると再び人が車を横切った。 それは、全く同じ人物だった。背の高い、男らしい。 |
|