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これは僕が中3の時の話です。 そのころ、ちょうど従兄弟が18歳で車の免許を取り、車でドライブにつれて行って貰いました。 その時従兄弟が、僕に 「Sちゃん怖いところとかって、行ってみない?」 と聞いてきました。 僕は基本的には恐がりなのですが、その時はなんせ初めて乗る車でのドライブ、そして夜中に遊びにゆくという、興奮から思わず「うん」といってしまいました。 従兄弟の運転する車は東京のはずれのO市から、S県にはいったすぐの所にある「Hトンネル」という場所に着きました。 そのトンネルは、その時既に使われなくなっていたような場所でした。 従兄弟は、すでに何回もこういったスポットに来ているらしく、慣れた様子でいましたが、僕は、真っ暗な闇、なんの音もしない静けさ、それと辺りをただよう、なんとも言えないどんよりと重い空気に、いつしか口数も少なくなっていました。 『Sちゃんここはね、昔ここを使って人たちの中の一人が、ここで事故をおこしたんだ、それからもう40年近く経つのに、今でもここであることをするとその霊があらわれて、それを見てしまうと自分も仲間だと思われて、殺されて連れていかれちゃうらしいんだ。』 と従兄弟は僕に話しました。 そのあることというのは、そのトンネルは車1台がやっととうれるくらいの幅で、その両脇には溝がありトンネルのちょうど真ん中のところに線が引いてあるという造りなのですが、そのまん中のところに車をとめてエンジンを消し、ライトも消し、静かになったところで思い切りクラクションを鳴らすということでした。 僕は、直ぐにでも帰りたいの一心で、『はやくやろうよ。』と従兄弟に言いました。 従兄弟は、車をまん中の線の真上へと進め、ライトを消してから、エンジンを止め、静かになったところで、クラクションを思いっきり鳴らしました。 ブーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ! 僕は思わずその音のうるささと、怖さに耳を塞ぎ、目もつぶってしまいました。 ……クラクションを止めてから1分くらい経ちました。 もうすでに何回も来ている従兄弟は、余裕の口調で僕に「大丈夫だよ」といいました。 そして僕が目をあけて 『早くいこうヨ!こんなとこ。』 と言った瞬間! ガタガタガタガタガタガタッ! いきなり車が揺れ出しました。 僕はパニくってしまい、従兄弟に抱きつきました。 その僕を従兄弟は、上からぎゅっと抱きしめてきました。 見ると、あれほど余裕を見せていた従兄弟は、顔面蒼白になっていました。 揺れだけではなく、トンネルの中にも凄い音がしていました。 それは、トンネルの上を電車が通っている。…そんな感じでした。 ガタン! 揺れがしばら続いた後、車が何かにはまった様な衝撃が…。 ……そのうち音も揺れもおさまり、再びトンネルの中には静寂が戻ってきました。 車の中で、僕と従兄弟は呆然とお互いの顔を見合っていました…。 しばらくして、従兄弟が車のライトを点けました。 その時僕は、一瞬自分の眼を疑い思いました。 助手席に座っていた、僕の直ぐ真横にトンネルの壁が迫っていたのです。 いつの間にか車が大きく動かされ、左にある溝にはまっていました。 その後慌てて、レッカ-車を呼び、やっとこのトンネルから離れることが出来たのです…。 ※ ※ ※ その後、僕はこのトンネルについて少し調べてみました。 わかったことは、僕が聞いた噂では「昔、ここで一人の人が死んだ」と聞いていたのですが、実はそのトンネルの工事の際、「事故で13人の方の亡くなっていた」…ということでした。 そしてトンネル開通以降、そこでは様々な変異が起きたそうです。 原因不明の死亡事故、又は人が忽然と消える…といった事でした…。 その、死者・行方不明者の数が併せて「13人」になった時、死者の魂が鎮められた為か、不思議とその不可解な事件が再び起きることは無くなった、ということでした。 僕はこの体験以降、心霊スポットへ遊びに行けなくなりました…。 みなさんも羽目をはずし過ぎないように…。 投稿者:ozaki shinsukeさん |
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