私が二つか三つの頃。
両親と、妹と四人で寝ていました。
ある晩の事。トイレに行きたくなって眼を覚ましました。
怖かったので母親に付いてきてもらおうと思い、「お母さん」と声をかけました。
「?」
見ると、母親の布団のほうが何かがおかしいのです。
よく見ると、お母さんは布団で寝ている筈なのに、ネグリジェを着て、眼をつむった、もう一人のお母さんが、布団から垂直に、すーっ と上に登っていきました。
子供心に「なんだろう?」と、ただ訳も分からぬ恐怖心でじっと見ていると、そのまんま天井へと吸い込まれるように、消えていってしまったのです。
(ちょうど「天空の城ラピュタ」でムスカとシータが中空に消えるシーンみたいに)
何だったんでしょうか……あれは?

本人(母)にも聞いてみましたが、
「あの頃、ちょうどお散歩したかったのよね。」
くらいの、とぼけた返事しか返ってきませんでした…。

空のおさんぽちゅう?…だったのかしらん?



投稿者:まりも。さん