今から10年前高校3年の夏休みの出来事です。


友達男女含め10人ぐらいで東京都のX島に遊びに行った時、M町にあるペンションに泊まったときのことです。
私達はペンションの2Fにある4つの部屋に別れて泊まりました。
そのうちの1つの部屋の窓下には小さな「社(やしろ)」がありました。
それは風呂場へ私たち男が、女の子の風呂を覗きに行った時に見つけました。
そこのペンションの部屋にはクーラーはなく、暑さをしのぐには扇風機しかなかったため、網戸をして窓を全開にしていました。
そのうち、仲間のO氏がうっかり網戸を外してしまい、窓の下にある「社」の上網戸を落として、ぶつけてしまいました。
その時、私たちはみんなでO氏に
「祭ってある者に謝っときな!」
と脅し半分、冗談半分でそう言いました。
       ※       ※       ※
そんなことも忘れ夜もふけた頃、とにかく暑いのでみんなで怪談話をして「涼もう」とうことになりました。
怪談が始まって、話が5つぐらいを過ぎた時。
幼馴染のYの視線が「じっ」とドアの方に張り付いているのに気づきました。
私もドアの方を見ました。
「…!…」
なんと、ドアの横にある上着掛けの上に、青い顔をしたおじさんの頭だけがあって、ジッと、私たちのことを見ているのです…!
そして、その顔は「ニタ」と笑いやらしい顔に…
次の瞬間、何かに驚いたように、M氏とT子がお互い顔を見合わせていました。
M氏とT子は、隣に座りながら何か小さな声で話しをしています。
「何?」
私がと訊くと、
今、二人の間で突然、おじさんの様な男の声がしたと言うのです。
それは低い声で「クッ クッ クッ」と笑っていたそうです。
その後、部屋は静まりかえり、怪談話はそこでお開きになりました…


網戸を落としたあの「社」と、あのおじさんは関係があるのでしょうか?
今でも真相はわかりませんが、ちょっと怖い体験でした。



投稿者:COZYさん