この話は”怖い”ではなく”悲しい”話ですので、このHPにはそぐわないかもしれませんが、どうぞ聞いて下さい。

数年前の話です。ちょうどポケベルからPHS、携帯が流行りだした頃です。
僕には彼女がいました。何も話さなくても一緒にいるだけで安らげお互いが成人し、経済的に安定したら結婚しようなどとも言ってました。
あまり会う時間はなくてもとても幸せで、人を愛することはこういうことだと初めて知ったような気がしました。しかし、幸せはいつまでも長続きはしないものなのですね・・・。
ある夜、彼女の塾の後に会う約束をしていたのです。
いつもは時間に遅れることはないのですが、その日は時間になっても来ませんでした。
僕は塾が長引いてるのだろうと思い、ずっと待ってました。
しばらく待っていると僕の電話が鳴ったのです。
その番号は知らない番号でした。僕は誰かな?と思いながら出ました。
そうすると、彼女だったのです。
彼女はずっと、
「ごめんね。ごめんね。ごめんね。」
この言葉だけ繰り返し、僕が気にしないでって言ってもずっと言い続けてました。
電話はすぐに切れてしまい、僕は今日は来れないのかな?と思い、帰ろうとしてたんです。
それからしばらくして友達から電話がありました。
「○○が交通事故で死んじゃった・・・」
泣き声の中からこのことだけが聞き取れました・・・。
しばらくは何を言ってるのか分かりませんでした。
・・・認めたくなかっただけなのかもしれません。
「そんな、さっきまで話してたんだから・・・そんなことあるはずない!!」
そう自分に言いきかせてたのも覚えてます。
しかし、どんなに否定しても時間は待ってはくれず、葬式が行われました。
もう涙も出ませんでした。何も考えられないし、受けいられない。
その日、両親から聞かされました。何故、事故になったのか、
何時に息を引き取ったのかも。
ここで一つ変なんです!息を引き取った時間は僕と電話してたんです。
確かに番号も残ってる・・・ここにかけ直してみると
”もう使われてません” と返ってくるだけでした。
僕は泣きながら何度も何度も繰り返しました・・・。
あれから数年、僕は必ず命日にはお墓に行ってます。
あの時の胸の穴は今でもうまってはいません。
たぶん、これからも・・・。
何人かと付き合ったりもしました。けど、やはりダメなんです。
今でも目をつぶればハッキリと見える。
荒れていた僕が優しくなれ、思いやることを教えてくれた彼女。
僕を見てくれていた彼女。理解しようとしてくれた彼女。
これから人を好きになることがあるのでしょうか・・・

これが僕が体験した出来事です。
これからは彼女に教えてもらった事、貰ったものを誰かにやっていこうと思ってます。




投稿者:まさとさん