その頃の自分は車の免許を取ったばかりで、よく友達とアチコチにドライブに行ってました。
ある程度運転にも慣れ、丁度週末だったという事もあり、ちょっと遠出のドライブに行こうという話になりました。
その時は別に何処へ行っても良かったのですが、高校の時にバイクでよくツーリングに行ってたから、という理由で箱根までドライブに行くことになりました。
車は東名高速を西にひた走り御殿場まで行きました。
そこから高速を降り、一路箱根は芦ノ湖まで進むことになりました。
そして、芦ノ湖へ到着したのは午前２時を少し過ぎたくらいでした。
風も気持ちよく、時期的にも丁度良い感じでした。
その後、暫くは友達と二人で缶ジュースを片手に話に花を咲かせていました。
小一時間ほど話をして、時間がそろそろ夜中の３時を示そうかという頃、
「そろそろ遅いし、このままだと帰った頃には夜が明けてしてまうので帰ろう」
と友達が言い、私たちは帰ることにしました。
帰り道、車は来たときとは逆に「箱根湯本駅」の方に向かい走り始めました。
（ちなみに車は８人乗りのワゴンです）
15〜20分程走ると、隣で友達は寝てしまい、自分は独り、カセットを聴きながら運転をしていました。
するとカセットは未だ何十分も残っているはずなのに不意にフェードアウトするように音が消えてしまいました。
「あれ？」
と、思った自分は暫く運転をしながらカセットをいじっていましたが、何の反応もありません。
逆に、何故か「人の話し声」のようなモノがスピーカーから聞こえてきました。
・・・？？？・・・
おかしいと思った自分が不意にルームミラーで後部座席を確認すると、そこには、「鎧武者」が写ってるではないですか…。
しかも、今は真夜中。車内には明かりもなく真っ暗のはずなのに、何故かそれが「鎧武者」だということが確認できるんです。
しかも、それは１人や２人ではなく、７〜８人がまるで座席に座るようにいるのです。
びっくりしながらも、何とか運転を続けていると、次第にブレーキが利かなくなってきました。
しかも、フットブレーキ、サイドブレーキ両方の調子がおかしくなってきたのです！
そんな状態の中、死に物狂いで運転をしていましたが、「もうこれ以上はだめだー！！」
そう思ったとき、何を考えたのか、逆上した自分は後ろの「鎧武者」に向かって
「いい加減にしろーーーーーーーーーーーー！！！！！！！！！」
と、大声で怒鳴っていました。
その瞬間 フッ と車が軽くなったかと思うと、ブレーキも利くようになりました。
そして、今までまるで死んだように寝ていた友達が、自分の声で
ビックリしたかのように目を覚ましました。
自分が今起きた「鎧武者」についての経緯を話すと、友達は
「今寝てた時の夢に、鎧武者が出ていた…」
と、答えました。
皆さんも、夜の箱根、特に湯本側に行くときは十分に注意して下さいね。
投稿者：忍さん
