今を遡ること数年前、俺の彼女と彼女の女友達とで遊んでるときのことです。
その日は思ったよりも遅くまで遊んでしまい、彼女の友達を家まで車で送ることになりました。
その子の家は埼玉県の越谷市でした。
初めて通る道と言う事もあってか、かなり到着が遅くなってしまい、到着した時は、既に真夜中の一時を過ぎていました。
友達を送り届けた後、彼女は帰るにしても遅くなってしまった為、仕方なく俺の家に泊まって貰う事になりました。
その帰り道のことです。

時間も遅く少々眠かった俺は早く家に帰りたくて、少しスピードを出し気味で走っていました。
国道四号線をひたすら上野方面に走っているときです。
いきなり目の前に人影が現れました!

「ヤバイ!!」

と思ってもこっちは時速60km程、しかも人影との距離は約1〜2m。
車はそのまま急に出てきた人影に突っ込んでしまいました!

「ドス!」

と、やな感触がして、
「あぁ、轢いてしまった」
って思ったんですが、何か変なんです…
普通なら轢いてしまったらそのまま車のボンネットに乗ってくるなり、ガタガタと轢いてしまうはずなのに、何の感触もありません。
「おかしいな」と思いつつ、漠然と、あぁ、今のは幽霊だ・・・とか思いました。
だって、俺の後ろにも車は居たのに後ろは何もなかったように走ってましたから…。
そして、隣にいる彼女に
「見た…?」
と、聞いたら、「見た」と答えました。
     ※     ※     ※
でも、怖いのはこの後でした。
その日から数年後のつい最近、その話が彼女と出ました。
「あの時はビビッたね」とか、「あの時はマジでどうしようか悩んだよ」
何て話をしていたときです。
詳しい情景の話になったとき、二人の話に変化がありました。
お互いの記憶が全く違うんです…
俺が「その日は雨が降っていた」と言うと、彼女は「降っていない」と言い、
「轢いたのは女で、白のワンピースのような物を着ていた」って言うと
「いや、男でTシャツに青のジーンズだった」と言うのです。
事件のあったときは確かにお互いの話はあってたはずなのに…
今になって、こうもお互いの話が違うってのはどうにも解せないのです。


そんな、一寸恐ろしい体験でした。



投稿者:忍さん