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今から10年ぐらい前、私が高校生のころの話です。 時代はバンドブームの真っ只中、私もM氏もギターに夢中だったころでした。 その日は、私と幼馴染のYとで、M氏の家で遊ぶことになりました。 M氏の部屋には窓が3つあり、一つは道路側、もう一つは隣の家側、そしてもう一つは道路側と反対の、川がある方にありました。 「ん?」 部屋に入ると何とも言えない、変な感覚を覚えました。 しかし、それ程気になることもなく、そのまま遊んでいると、ふと部屋の四方に貼ってあるお札が眼に入ってきました。 そしてよく見ると、部屋の四隅には盛塩が…。 「なんであるの?」私。 「かーちゃんが置いとっけってさ」M氏。 「ふーん・・・・・」 私は、部屋の中のそれらを見まわしました。 「そっか!だから何か変だったのか…」 そう思いつつ、そのままそこで遊び続けていました。 黄昏時になりそろそろ電気付けようかなと考えている時、私の視線は自然に隣家の側の窓へと吸い寄せられました。 「…あれ?」 窓の外に、髪の長い女が立って揺れていました…。 「隣の家の人かな?」 と思いましたが、隣の家も私の友人宅です。 「いや、あんな人、あの家にはいない…」 と思っているうちに、窓の外の女はいなくなっていました。 しかし、目の錯覚だと心に決めて遊ぼうと考えていると視線を感じるのです。 今度は、川側の窓に目をやると、やはり女が窓の外から、ジッとこちらを見ているのです。 「やばい!」 と思い、目線を外そうとしますが出来ません…。 「………」 そのうちに、女はスーッと消えていきました…。 時間にして10秒くらいだったと思います。 私が呆然と窓を見ている様子を見た2人が、 「何をしてるの?」 と訊いて来ました。 しかし、私は2人を怖がらせないように、ただ 「別に…。」 とだけ答えました。 幸い、2人には見えてなかった様子でした。 その時私は、M氏のお母さんが、何故お札と盛塩をしていたか分かりました…。 あれは間違いなく幽霊です。 だってM氏の部屋は、2階にあるのですから…。 投稿者:COZYさん |
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