(料理の鉄人・加賀風に)
私の記憶が確かなら、これは、8年前のアルバイターだった頃の夏の日の話。
その頃アルバイターだった私は、時間的に非常に不規則な生活を送っていて、巷においては、行方不明説や失踪説、入院説等々囁かれている身分でした。
それもそのはず、家を出るのは昼過ぎから夕方で、帰ってくるのは早い方で12〜1時、遅ければ4〜5時は当たり前と言うサイクルだったのです。

そんなある日のこと。
バイト先の川越(埼玉県)から車で自宅に一番早く帰るルートは、富士見川越 有料道路を 通って、浦和所沢線(通称埼大通り)に出るのがベストでした。

いつもどおり、料金所(なるべく通らない。自腹になるから)を過ぎた所から有料道路に入って、もう少しで浦和・所沢線に出ると言う所で、 道端に一人の男(のように見える)人が立っているのが見えました。
時間的には4時半ぐらいで、うっすらと明るくなり始めていて、犬の散歩か何か でそこに立っているか の様に遠目には見えてました。
何気なく通り過ぎる時に、その人の方をチラリと横目で見て、少し走ってからも う一度振り向くことになりました。
なぜって?
体の下半身がぼんやりと透けていたからです。

その次の日。その場所を通りながら反対車線を見て
「ここで変な奴を見たんだよ なぁ」
と思いながら、車を運転していて
「あぁ。成る程ね。」と納得できました。
道端に(道沿いにあるガードレールの支柱に)「花」が供えられていたからです。

本人感想:
柳の下にいる泥鰌、ではなく正体見たり枯れ尾花、ではなく我が目を 疑うことしばし。怖い話というよりも愕いた話でした。




投稿者:夜香 さん