私の初めての不思議体験は、私自身にもはっきりとした記憶が無い話でした。
というのも、これはある時母から聞いた話だからなのです。

私が保育園に入学するかしないかぐらいの幼い時の事でした。
ある日、私は両親や兄と一緒に遊園地に遊びに連れて行って貰っていました。
しばらくわいわいと遊んで、母と私はベンチに座って休憩していました。
すると、今まで元気だった私の様子がおかしいことに母が気付きました。突然私の右腕が動かなくなってしまったのです。
母は、急いで病院に連れていきました。
しかし医者は「原因が判らない」と言うばかりだったそうです。
結局そのまま右手が動かない状態がしばらく続いた時、私の祖母からそういう事に詳しいお祓いのおばあさんを紹介されました。母は私をその人の所に連れて行来ました。
おばあさんは私を見るなり、
「この子は、生霊に憑かれてるよ。きっと、遊園地で幸せそうにしているあんた達を見て羨ましくて、憎かったんだろうね。」
と、言って私の生き霊を払ったそうです。そして私の腕はその場で動くようになったと言います。
お祓いが終わっておばあさんが、
「この子(私)は生霊に好かれやすいから気をつけなさい。」
と、母と私にそういったそうです。
母は、私が大きくなったある日この話をしてくれました。
私はその時、そんなことがあったのかと大変びっくりしました。

数年後、私は母にもう一度その事について詳しく聞こうと思い、母に尋ねました。
しかし母は、「そんなことは話した覚えが無い。」と、答えたのでした。
あの母の話は、私の夢だったのでしょうか。
今もそれは分かりません。

ただ、私にはそのお祓いのおばあさんという人らしき人の家に何度かお参りに行った記憶だけはおぼろげに残っているのです…。



投稿者:e994221さん