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あれは、私が小学3年生の頃でした。 当時私は、人とワイワイ騒ぐより、1人で本を読むのが好きな、内気な少女でした。 その日、3月3日。私は、いつものように、低学年向けの、図書室へ行きました。 そこへ行くまでに、階段を降り、職員室の前の廊下を通りました。雨が降っていて、かなり薄暗かったのを覚えています。 図書室は、いつものように、人がいませんでした。いつも、私1人だけでした。 ただ、いつもと違ったのは、そこに・・・8段飾りのひな人形が飾って有りました。 私は、それを、見て、少しビックリしましたが、すぐに本を読み始めました。 ところが、いつもなら、すぐに熱中して読み始めるのに、気が散って、熱中できません。 誰かに見られている気がするのです。(?)と思って、顔を上げると、そこにはひな人形が「じー・・・っ」と、見ているんです。 ぞーっとしました。 恐くなった私は、本を本の場所に無造作にしまい、なんとなくもう一度ひな人形を見ました。 すると、ひな人形の目が、ぎらぎら と光っています。ますます恐くなって、急いで図書室から出ました。 走って、職員室の前の廊下をぬけて、階段を上がろうとしたとき。 ゴオォォォォォォォッ! っという音がして、なにかが後ろから追いかけてくるのが分かりました。 その時、なぜか私は、(止まったら、連れて行かれる!!!)と、強く思いました。 (いまだになぜだか分かりません・・・) そして、もう頑張って頑張って、思いっきり全速力で階段を上がると、後ろの気配は、ふっと、いなくなりました。 私は、いまでも、あの時のうしろからの気配が忘れられません。 あれは一体、なんだったのでしょうか・・。 投稿者:Tomoyo Ueyamaさん |
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